レトロモダンなデザインと優しい音色の SANSUI SMC-300BT。
真空管プリアンプへの興味もあり、ワークスペース用に購入しました。
しばらくは、そのまま聴いていたのですが、左チャンネルの音場がやや弱いように感じられることと、真空管の交換による音色の違いを確認したくなり、真空管を交換してみました。

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使用した真空管は、ロシア製の Tung-Sol 12AX7A (購入時は Amazon で2,870円/本) です。
低ノイズで低音域から高音域までバランス良く増幅できるとのこと。


1 ケースの取り外し

1) 裏面のねじ3本を外します。

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2) 背面パネルを外します。ねじは全部で10本あります。
 ・内部のフレームと木製のケースを留めているねじ3本(赤丸)
 ・各端子を背面パネルに固定しているねじ7本(青丸)

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3) 背面パネルを外し、内部のフレームを押して木製ケースから半分程度出します。
CDユニットの上部が前面の木フレームと干渉するため、力加減に気をつけながら、CDユニットが固定されている中間の黒いフレームをやや強めに押して取り出しました。
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4) 木製ケース上面のNFCユニットの配線を基盤側で外します。

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2 CDユニットと前面パネルを外します。

1) CDユニット(白プラ)を中段フレーム(黒プラ)から外します。
  ※ 赤矢印のねじ、計4本

2) 前面パネルを中段フレーム(黒プラ)から外します。
  ※上側の青矢印のねじ、左右 計2本

3) 前面パネルを金属フレームから外します。
  ※下側の青矢印のねじ、左右 計2本
  ※ 裏面のねじ 左右 計2本

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4) 配線を中段フレームのフックから外します。

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5) 前面パネルとCDユニットを上方向に移動し、真空管の上部を空けます。

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3 真空管の交換

真空管はソケットに垂直に差し込まれていますので、上方に引き抜けば外れます。
 ※上の写真は、金属の反射板と真空管を抜いた状態です。


4 まとめ

真空管の交換前でもBGM用途では問題はなかったのですが、左チャンネルがやや弱く、定位や高音域の甘さがあり、各種レビューの情報から、真空管は、CHINA 12AX7B が使われているのだろうと考え、真空管を交換することにしました。

分解したところ、搭載されていたのは、スロバキア製のJJ ELECTRONIC ECC83S でした。後期ロット分に採用されているのか、あるいは混在しているのかもしれません。

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Tung-Sol 12AX7Aへの交換後の音は、低音から高音まで音がしっかりした印象があり、全体的に爽やかで現代的な音質のように感じました。
交換前の JJ ELECTRONIC ECC83S は、音域がやや狭く感じられるものの、ボーカルやアコースティックが心地よく前面に出てくるようなところがあり、懐かしく、温かい音色でした。

BGM用としては、JJ ELECTRONIC ECC83S も捨てがたく、単純に優劣を付けることは難しいと感じました。

なお、分解するとメーカーの保証を受けることはできません。また、機器の故障のおそれもありますので、真空管の交換は自己責任となります。